都会と地方どちらが消耗するのか?東京都で8年、福井県で3年仕事してきた僕が感じる違い

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都会で働くサラリーマンの方で、「田舎でのんびり暮らしたい・・・」という意見をよく耳にします。

僕は、高校まで福岡の田舎で過ごし、卒業後上京し東京に7年間住んでいました。東京では社会人生活は3年、その後福井で3年半働き、そして東京に戻ってきて半年ほど経ちます。

東京でも田舎でも仕事をしてきた僕が感じる、都会と田舎で働くことってどんなことか、まとめます。

結構多い田舎移住希望者

実際にこういうデータもあって、4割程度の人が、実行するしないにかかわらず田舎暮らしへの願望があることがわかります。

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出典:http://allabout.co.jp/

地方から出てきた人にとっては、都会暮らしを辞めて故郷に帰りたいと考えているのでしょうか。

先ほどのリンクにある画像に、移住希望者を年齢別に見ると、

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に分かれるようです。50代は、退職して田舎に帰りたいというのはわかりますが、20代が男女とも多い点が気にかかります。

学生でUターン就職希望を除けば、東京でのサラリーマン生活に消耗し、もう田舎に帰りたい・・・と思っている方も少なからずいるはず。

イケダハヤトさんに影響された方も多いかと思います。

その気持ちはすごいわかります。実際、僕もサラリーマン時代は、埼玉の田舎の方に癒されに行っては、ああ実家帰りてぇなと思ったものです。

実家以外でも、島暮らししたいなぁ・・・と八丈島や石垣島のウェブサイトを眺めていたものです。消耗しきってましたね。

福井はどういうとこ?

そして、僕は東京を出て福井県に行くことになります。いや、都会暮らしが嫌で行ったわけじゃないですが。

その辺の経緯は、プロフィールに書いているので興味がある方は。。。

www.miyachiman.com

福井に行って働いたのは半年、更にそこで独立して3年の合計3年半働いておりました。

福井県って、あまりメジャーでもないし、特に縁もない人にとっては一生意識することもなく終わるかと思います。

一応、名産として挙げられるのは越前ガニや越前ソバ、ソースかつ丼が有名。

観光スポットとしては、海が綺麗な水晶浜や自殺の名所で知られている東尋坊などでしょうか。

人口は2015年10月のデータで約79万人。これは47都道府県43位の数字で、下には徳島・高知・島根・鳥取しかありません。

新幹線が停車する駅もなければ空港もなく、田舎の象徴であるイオンすらもない(これは別に理由がありますが)、完全なる田舎です。

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この写真は福井に来た初日に撮った写真です。1月だから、雪まっさかり。東京じゃ見られないでしょ、これ。雪国ならでは。

電車に乗る人なんてほとんどおらず、ほとんど1両編成ですよ。Suica?そんなもん使えません。福井は、改札に駅員さんがいて手で切符切ります。アナログ。

ていうか、これに関しては無駄でしかないから本気でやめて欲しいんですけどね。。。

福井で3年半暮らしてどうだったか?

では、実際に福井で3年半暮らしてどうだったか。

最初に言っておきたいのは、地方や都会をdisっているわけではありません。人それぞれ生き方があると思っています。

その上での意見ですが、結論として福井での生活はまぁまぁでした。

良かった点悪かった点をまとめます。

田舎暮らしのの良かったこと

まずは田舎の良かった点をまとめます。

1.環境がすごい

まぁ、地方生活を求める方はこれが大きいんでしょうけど。

先の記事で紹介したグラフでも、移住したい理由は出身地であることを除けば環境面が大きい。

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空気がキレイだし、水は美味しいし、時間の流れがゆったりしています。食べ物も美味しいです。

都会ほど人の流れが早くありませんし、お店はどこも20時くらいには閉まり始めますから、22時くらいになるともう真っ暗です。

都心だとそういうわけにはいかないですよね。22時くらいでも明るいですし、人の流れも盛んです。

21時くらいになるとマジで人が消えます。そもそも人いないんですが。

人間は本来豊かな環境の中で育ってきた動物ですから、本能的に緑を求めているのでしょうか、そういった意味では本当に落ち着きますよね。

星空なんてありえないほどキレイです。どこ行っても頭上には満点の星空が広がっています。

2.家賃がくっそ安い

そもそも皆持ち家なので、賃貸物件は少ないのですが、家賃はくっそ安いです。

1Kで、30㎡くらいの新築マンションで家賃が4万円

更に、2LDKで築10年ほどでも家賃7万円で住むことができます。

今僕は池袋駅と大塚駅の間辺りに住んでいますが、そこが2LDKで家賃が20万ないくらいです。

福井レベルの物件に住もうと思ったら1K 30㎡で9万くらい、2LDKの築10年はやはり15万以上になってしまいます。

家賃の相場が2倍以上変わってきます。家賃なんて固定費で毎月必ず発生するコストですから、2倍違うと年間で考えたらすごい差になるわけです。

3.知り合いが多くなる

人口も多くないですし、ただでさえ多くない人口が密集している地域なんかに行くと、まぁ知り合いに会います。

僕は縁もゆかりもない福井県に行って、最初の頃こそ友達はいませんでしたが、独立して仕事が増えていくにつれ知り合いも多くなりました。

そうすると、結構色んな場所で知り合いに会うことが多くなります。

たまたまばったりあった知人とお酒を飲んで、釣りに行ったりドライブに出かけたりして・・・。

そういったスローライフを望んでいる方にとってはこれ以上ない幸せだと思いますね。

田舎暮らしで悪かったこと

次に良くなかったことです。

1.選択肢が少ない

まずは選択肢が少なかったこと。

とにかく、行く場所の選択肢が少ないんです。飲食店にしても遊びに行くにしても。

東京なら、ちょっと新宿行こうか、渋谷行こうかって思ったら気軽にいけますが、福井の場合これが石川県行こうか、大阪行こうか、京都行こうかと、旅行レベルの移動距離になってしまうんですね。

県外に行かないかぎりは県内のレジャーや飲食店に行かざるを得ませんし、全部車移動です。

東京に住んでいたら、歩いていける距離に遊べるところや飲食店がたくさんありますから、そういう移動でもちょっと面倒くさいですね。

飽きます。そこに10年20年と住んでいる人は神レベルですごいですね。

2.刺激が少ない

田舎で仕事をしていると、だいたい会う人は決まってきます。

経営者仲間然り、友人然り。多分従業員もそんな感じじゃないでしょうか。

東京と違って、田舎は会社の数は少なく、その中で関係してくる会社さんはだいたい決まってきちゃうんですよね。

活躍しているフリーランスの方や経営者さんももちろんいらっしゃいますが、一度交流すると、後は仲良くなるか離れるかだけで、新規の出会いが少なくなります。

その点東京は出会いが多いですから、出会いによる刺激は多いですね。

まぁ、必ずしも出会うこと=お金になることではないですが、チャンスとしては多いですね。

人は環境によってしか変わることはできませんから、その点ではチャンスが多い場所であります。

3.情報やサービスが少ない

日本の流行や情報の発信源は間違いなく東京です。そこから地方都市に拡散され、そして周辺の田舎に浸透していきます。

東京にいると色んな情報を知れたり触れたりする機会が多いですが、田舎はそういうわけにはいきません。

大きなイベントに参加しようと思うならやはり遠出をしないと無理ですし、田舎では限りがあります。

また、東京では、割とSuicaが使える飲食店が多いですが、田舎だとほとんど現金です。

現金をなるべく持ち歩きたくない僕にとっては面倒くさくて仕方ありませんでした。

なんだかんだで飲食店とか混んでるよ

田舎では、人が少ないから行列に並ばなくていいし飲食店混まなくていいよなぁと思う都会人は多いですが、田舎も混んでますよ。選択肢少ないから。

美味しい飲食店はピーク時間並ばないといけませんし、何より幹線道路が鬼のように混んでるので、ちょっとの距離が果てしなく時間がかかる場合もあります。

車生活はメリットとデメリットがある

田舎では車がないと無理です。電車なんてほとんど乗りません。今でもほとんど乗りませんが。

車は便利です。自分が行きたい場所に思うように行くことができます。

しかし、デメリットもあります。電車のように乗れば自動的に連れてって行くわけではなく、運転しなければなりません。

運転中は音楽を聞くくらいしかできません。電車だと、本を読んだりスマホをいじったり、手が空いているので空き時間を有効活用できます。

車内は完全に個室空間ですし、運転が好きな方は電車はめんどくさくて車のほうが楽という方もいますね。

また、運転すれば、事故の可能性は常につきまといます。全く事故の経験がないという方は少ないのではないでしょうか。

それに車は維持費もかかります。2年に1度の車検もそうですし、ガソリン代だってバカになりません。

タイヤやバッテリーの交換もありますし、毎年税金も払わなくてはなりません。

また福井の場合、冬には雪が降りますから、スタッドレスタイヤが必要です。その交換も面倒です。

ああ、これは悪かったことに分類されますが、雪もしんどかったです。雪国に住みたい方は要注意。

僕は雪が降らない福岡県生まれなので、雪が降る季節は雪かきしなければ車を出すこともできないので、それもしんどかったですね。

雪かきや車に積もってる雪溶かすので15分くらい消費しちゃいます。

車は思うように自由にできますが、渋滞していることが割りと多く、どこかに行くときはそういう時間を考慮しなくてはいけませんでした。

その点、電車は時間が決まってますから楽です。人身事故で遅延するリスクもありますが・・・。

まぁ、このメリットデメリットはどちらが楽に感じるかは人によりますかね。

田舎に短期間滞在するなら「NOREL(ノレル)」がお得

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田舎に出張やお試し移住などで短期滞在する方は、新しく車を買うより自動車乗り放題サービスを使うのが一番お得ではないでしょうか。

NOREL(ノレル)というサービスを使うと、一番安いもので月額39,800円から車に乗ることができます。

しかも、そこに10,000円プラスすると自動車保険に入ったのと同じような補償を受けることができるんです。

また90日経てば他の車に乗り換えもできますし、月額79,800円のプランにすればBMWやボルボなど外車にも乗れちゃいます。

毎月4万くらいなら、2年ほどの滞在なら100万ほどで済みますし、これなら車を買うよりお得です。

東京に移った理由

東京に戻ってきて半年ほど経ちます。

元々福井に行く前は東京にいましたし、地元に帰る選択肢は全くなく、一生東京にいるもんだと思ってました。

福井は短期で離れる予定でしたが、なんだかんだ3年半いましたね。居心地が良い面もありましたし。それは先程あげた良かったポイントがそのまま当てはまります。

それでもやっぱり、福井で一生暮らすことは全く想像できませんでしたし、刺激が欲しかったこともあります。

福井には3年以上いて、もういいかな、と思ったのもあります。

実際、こちらに戻ってきて、こちらでしか出会えない方々と出会うことができましたし、昔の仲間とまた飲んだり、楽しい生活を送っています。

何より、仕事も増えましたしね。東京にいることは全く後悔も何もないです。戻ってきてよかったと思っています。

www.mazimazi-party.com

こういう記事もありますが、東京生活はオススメですよ!

田舎で仕事をしていて感じたこと

田舎に移住する人の不安な点として、一番に挙がるものが仕事でしょう。確かに、東京よりチャンスが少ない分、仕事があるかどうか不安です。

でも、その点は心配ありません。選ばなければたくさんありますよ。僕は田舎で仕事に困ったことはありません。

競合が少なかったらからこそ、ある程度拡大させることもできましたし。目立てるチャンスはかなり多いです。

実際、田舎でも活躍されている方はたくさんいらっしゃいます。場所を言い訳にしていたら、どこいったって一緒ですね。

ただ、イケダハヤトさんに影響されて、真似しようと思って地方に行く方はオススメしないです。

あまり再現性がありませんし、ちょっと別物だと思った方がいいですね。。。

近所付き合いを心配する方もいますが、僕は福井でいた3年間、近所付き合いなんて全くありませんでした。

あんま好きじゃないんですよね、そういうの。

一軒家に住むとあるのかもしれませんが、賃貸マンションやアパートでは、あまりないみたいですよ。

結局はどこに幸せを感じるか

結局、田舎だろうが都会だろうが、幸せな人は幸せですし不幸な人は不幸なんです。

田舎でも、消耗しきっている人はたくさんいました。心療内科とか少ないから、通院している人も多かったみたいです。

ちなみに、幸福度ランキングで福井県は1位だからと県民は自慢していますが、基準もよくわかりません。あれは福祉度や環境面などを数値化した結果らしいですが、所詮は数字として計ったもの。住んでいれば幸せに感じる人もいれば不幸に感じる人もいるわけです。

都会だ!田舎だ!て考えるのは安易です。

自分はどこに幸せを感じるか?何がストレスか?をよく考えたほうがいい。

www.miyachiman.com

満員電車やアスファルトがストレスなら、一度試しに八王子や埼玉に住んでみたらどうでしょうか。そこが心地よく感じるなら、田舎でも快適に過ごせるはずです。

逆に、なんとなく憧れで考えているならちょっと危険。田舎暮らしがどういうものか考えないと、いざ住んで、「やっぱ都会戻りてぇ」って思うかもしれませんよ。

単に会社員生活が嫌で、それで田舎暮らしに憧れているなら会社員を辞めて独立してみればいい。そのストレスから解放されると、「あ、別に都会でもいいや」って思うかもしれませんし。

隣の芝生って青く見えちゃうんですよね。実際、僕はサラリーマン時代実家帰りたいとか、島暮らしいいなとか思ってましたが、今はそんなこと全く思いません。ただ単に仕事が嫌なだけだったんですね。

僕は現在池袋に住んでいますが、満員電車なんてほとんど乗らない、というか電車自体1週間に1度乗るかどうかですから、満員電車のストレスってそうそうないです。

遊ぶとこや飲食店が徒歩圏内に山程ありますし、かなり快適です。電車に乗るにしろ、乗り継ぎがあまりなく、路線も多いですからね。

都会がどうだとか田舎がどうだとか考える前に、自分は何が一番幸せに感じるかを突き詰めて考えたほうが良いです。

その結果、田舎が幸せに感じそうであればそうすればいいわけです。

まずは自分の幸せを考えるところからはじめましょう!

本格的に移住を志すのであれば。

田舎に暮らしてみたいなら「地域おこし協力隊」

地方暮らしを体験してみたいのであれば、「地域おこし協力隊 」に参加してみるのも1つの手段です。

地域おこし協力隊とは、給料をもらいながら1年以上、最大で3年間地方で仕事ができる制度のことです。

活動内容は、その地域に住みながら地域協力活動を行っていきます。

給与も、大体14万~20万程度はもらえるため、地方で暮らすには十分です。給与に加えて住宅や車が支給される自治体も多いので、個人負担は結構抑えることができますしね。

イメージとしては、地域の役所の臨時職員のような感じです。

田舎暮らしに興味がある方は、「地域おこし協力隊」に参加してみるのも1つの手ですよ!